2012年5月石巻

ちょうど1年前、東北シリーズ「花街2012〜」がスタートした。

このシリーズは東北の繁華街を撮影すると同時に被災地の復興の様子も記録しようとして始めたものである。最初の目的地に選んだのは復興バブルに沸くという仙台は国分町と津波被害が大きかった石巻であった。

まだ情報収集があまり出来ていなかったので、今回は仙台に二泊し国分町中心の撮影となった。石巻へは2日目にJRを使って日帰りで撮影した。仙台から東北本線で小牛田まで行き、石巻線で石巻まで往復した。(現在もまだ仙石線は途中バス移動である。)現地は徒歩で移動した。

石巻駅についての第一印象は思ったより人が多いというものであった。ゴールデンウィークで、ちょうど被災した石ノ森萬画館が「修繕工事前の萬画館探検隊」という企画で注目されていたというのもあったと思われる。

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ところが、駅から繁華街(歓楽街)に向かうととたんに人が少なくなり、被災の跡がなまなましく残っていた。そんな中で、日活パール(成人映画)が営業していたのが救いであった。

沿岸部(南浜地区)が一望出来る日和山公園に上って見るとかなり賑わっておりイベントもいろいろ行われていた。ところが、街を見下ろしてみるとそこにはほとんど何もない世界が広がっていた。

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とりあえず階段を降りてみた。確かに瓦礫は取り除かれ、道路もある程度整備されている。でもそれだけである。復興の様子を撮りたいと思ったのだが、復興などほど遠い現実に愕然とした。

しばらく周辺を歩いてみる。津波の被害を受けた後出火した門脇小学校は本当にショックだった。焼けただれた校舎の両脇が墓地であり、残された、また倒れ砕かれた墓石がその凄惨さを際立たせていた。

撮影しながら海辺まで歩いてみた。そこには集められた瓦礫がうずたかく積まれて未だに悪臭を放っていた。また、防波堤に当たる波が低い音で轟いていた。何か心の底からぞっとする感じを味わった。

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3日目は仙石線塩竈を訪れた。塩釜仲卸市場はそれなりの活況をみせていた。塩竃港周辺も被災の跡が目立った。最後に被災から店を再開した「すし哲」で少し贅沢をして帰途についた。

石巻の情報は「石巻百景」が便利でお勧めです。

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